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ポン・デ・ザール橋で逢いましょう
第2章 カルチェ・ラタン
百合子の着替えが終わったところで、玄関のベルの音が聞こえた。
ルイーゼが素早く廊下に出る。
百合子は鏡台の前に座り、ふっと息を吐く。

…本当は、下僕も置いた方が良いのだが、ユリコはきっと男性が家にいると、気詰まりになるだろうからね。
と、ジュリアンはメイドのルイーゼと司のナニー、通いの料理人と掃除婦を手配してくれた。
忍はまだコンシェルジュの職に就いたばかりだから彼らの給金を全て払えるわけではない。
断ろうとすると
「もちろん君達からお金を取ろうなんて思ってないさ。
雇用はあくまで我が家だ。これは僕からのただの好意だ。
アキラの親友にはここ、パリで安心して豊かな生活をして欲しいんだ。
ツカサは早くフランスの生活に慣れる必要がある。
言葉や生活習慣…ナニーは必要だ。
僕が直ぐに良いエコール・マテルネルも紹介するよ。
どうか気兼ねせずに僕の好意に甘えてくれ」
と言って悪戯っぽくウィンクをした。

忍は潔くジュリアンの好意を受け入れた。
「俺が昇進したら、お返しします。ご親切に感謝いたします」
二人は固く握手を交わした。
それから二人はまるで親友のように仲睦まじい関係だ。

…ジュリアンさんはお優しいけれど…こんなに甘えてしまって良いのかしら…。
ぼんやり考え込んでいると、ルイーゼが再び足早に戻って来た。
頬をやや紅潮させ、告げる。
「奥様、ジュリアン様がお見えです」
「…ジュリアンさんが?…今まいります」
タイミングの良さにどきりとしながら、百合子は鏡台から立ち上がる。
忍は仕事に出かけ、司はナニーとアランのお屋敷に遊びに行っている。
…ジュリアンさんと二人でお会いするのは初めてだわ…。
百合子はやや緊張しながら、部屋を後にした。




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