この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ポン・デ・ザール橋で逢いましょう
第1章 其の壱
忍は百合子の身体を抱き込むと、そのまま寝台へと横たわった。
…百合子が兄を亡くしてから六年近く経つ。
恐らくは最後に兄に抱かれて以来、初めて男と同衾したのだろう。
百合子の白綸子の寝間着に包まれたか細い身体は一瞬、大きく震えた。

「大丈夫だよ。何もしないから…」
忍は優しく囁くと、百合子の艶やかな髪にキスをした。
…百合子の髪からは、その名の通り白百合の幽かな薫りがした。
「…何もしないから…こうして抱きしめさせてくれ…」
呟くように懇願すると、百合子は小さく頷き、震えながら…それでもしっかりと忍の胸元に縋り付いて来た。
その華奢な背中をぎゅっと抱きしめる。
「…義姉さん…。…やっと、俺のものになったんだね…」
「…忍さん…」
…百合子は泣いているようだった。
忍の胸元が温かな涙の雫でしっとりと濡れ始めた。

堪らずに忍は百合子の貌を両手で持ち上げる。
黒目勝ちの美しい瞳は、水晶のような涙が溢れていた。
「…泣かないで、百合子…。これから俺が君と司を守るから…。二人を幸せにするから…」

百合子の瞳が切なげに細められ、その薄紅色の唇が震えながら開かれた。
「…忍さん…。私は…貴方の人生を台無しにしてはいないでしょうか…私は…貴方の輝かしい未来の枷になってはいないでしょうか…」
忍の形の良い眉が顰められ、怒ったように告げる。
「馬鹿なことを言わないでくれ。…俺は百合子と生きていきたいんだ。…百合子と司と三人で幸せになりたいんだ」
「忍さん…!」
感極まったように見上げる百合子の貌を引き寄せ、熱く囁く。
「…百合子、愛している…」
百合子の柔らかな唇は、忍に情熱を込めて奪われる。
若い男の激しくも濃密な愛のくちづけに、百合子は気が遠くなる。
終わりのない愛の言葉と共に…愛の蜜と息吹を吹き込まれながら…。


/54ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ