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愛のシンフォニー
第10章 永遠の愛

美樹の頬を涙が流れる。
「分かった、最後の観客が君で嬉しいよ」
徳造は最後の力を振り絞ってヴァイオリンを奏で始めた。美しくも優しい音楽が殺伐としたこの場所を温かくしていく。
だが、その美しく優しい音色はファントムたちにとっては毒だった。
「ぐうう~」
「やめろ~、やめてくれ」
美しく優しい旋律はファントムたちには多大な苦しみを与える。ファントムたちは頭を抱えて苦しむ。
徳造の闇から生まれ出でしファントムたちにとっては相反する徳造の光は毒なのだ。
夜の静寂の中に徳造の奏でる美しくも優しい音色が流れ続ける。そしてファントムたちは悶え苦しむ。
「やめろ~、やめてくれ」
「オレたちが悪かった~」
ファントムたちは苦しみながら哀願するが徳造は懸命に音楽を奏で続ける。背中の傷が痛む。かなりの出血に意識が遠のきそうになる。それでも徳造は懸命に音楽を奏で続ける。
「とくちゃんの音楽はやっぱり最高」
美樹はうっとりと音楽に聴き惚れている。
この優しい音色に傷の痛みも和らいでいくようだ。
うっとりと優しい美樹とは裏腹にファントムたちは今にも死んでしまいそうな程に苦しみ悶えている。
「やめろ~」
苦しみから逃れるために音楽の主である徳造を殺そうとするができない。この美しく優しい音色の洗礼を受けて極極僅かに存在していた良心が刺激されて自分たちを生んでくれた親を殺すことはどうしてもできないのだ。
「パパ・・まさか自分の子供ともいえる僕たちを消したりしないよね・・」
「パパ・・助けてよ、ねえパパ・・」
ファントムたちは哀願するように徳造を見る。
自分たちが消滅してしまう恐怖に震えて涙が溢れて止まらない。
怒りと恐怖に狩られてファントムたちを消滅してしまおうとしていた徳造も目の前で震えて泣いているファントムの憐れな姿に一瞬躊躇する。
このファントムたちは自分の中にある闇の感情が生み出してしまった者たち・・
こんな世界は滅んでしまえばいいなどという愚かな感情を抱かなければこんな悲劇は生まれなかった。
でも、ファントムたちを許すことはできない。
確実に滅ぼさなければ世界は滅亡してしまう。
そして滅ぼすことができるのは今をおいてない。
「すまない、許してくれ。君たちを生み出し、こうして苦しめているのは僕の罪。本当に許してくれ」
「分かった、最後の観客が君で嬉しいよ」
徳造は最後の力を振り絞ってヴァイオリンを奏で始めた。美しくも優しい音楽が殺伐としたこの場所を温かくしていく。
だが、その美しく優しい音色はファントムたちにとっては毒だった。
「ぐうう~」
「やめろ~、やめてくれ」
美しく優しい旋律はファントムたちには多大な苦しみを与える。ファントムたちは頭を抱えて苦しむ。
徳造の闇から生まれ出でしファントムたちにとっては相反する徳造の光は毒なのだ。
夜の静寂の中に徳造の奏でる美しくも優しい音色が流れ続ける。そしてファントムたちは悶え苦しむ。
「やめろ~、やめてくれ」
「オレたちが悪かった~」
ファントムたちは苦しみながら哀願するが徳造は懸命に音楽を奏で続ける。背中の傷が痛む。かなりの出血に意識が遠のきそうになる。それでも徳造は懸命に音楽を奏で続ける。
「とくちゃんの音楽はやっぱり最高」
美樹はうっとりと音楽に聴き惚れている。
この優しい音色に傷の痛みも和らいでいくようだ。
うっとりと優しい美樹とは裏腹にファントムたちは今にも死んでしまいそうな程に苦しみ悶えている。
「やめろ~」
苦しみから逃れるために音楽の主である徳造を殺そうとするができない。この美しく優しい音色の洗礼を受けて極極僅かに存在していた良心が刺激されて自分たちを生んでくれた親を殺すことはどうしてもできないのだ。
「パパ・・まさか自分の子供ともいえる僕たちを消したりしないよね・・」
「パパ・・助けてよ、ねえパパ・・」
ファントムたちは哀願するように徳造を見る。
自分たちが消滅してしまう恐怖に震えて涙が溢れて止まらない。
怒りと恐怖に狩られてファントムたちを消滅してしまおうとしていた徳造も目の前で震えて泣いているファントムの憐れな姿に一瞬躊躇する。
このファントムたちは自分の中にある闇の感情が生み出してしまった者たち・・
こんな世界は滅んでしまえばいいなどという愚かな感情を抱かなければこんな悲劇は生まれなかった。
でも、ファントムたちを許すことはできない。
確実に滅ぼさなければ世界は滅亡してしまう。
そして滅ぼすことができるのは今をおいてない。
「すまない、許してくれ。君たちを生み出し、こうして苦しめているのは僕の罪。本当に許してくれ」

