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愛のシンフォニー
第11章 愛の遺産
徳造と美樹が逝った翌朝。
貴美子・・徳造のことをカネで買っていた女社長は胸騒ぎを覚えて本能的に駆け出した。
昨夜・・徳造と美樹が逝った頃に恐ろしい夢を見たのだ。恐ろしい怪物が現れて徳造を殺してしまう。
その恐ろしい怪物はどこかで見たことがある。
貴美子は遠い記憶の中に自らが描いたその怪物の姿を思い出していた。
それは貴美子がまだ中学生の頃だった。
できれば一生思い出したくなかった、封印されし忌まわしい記憶。
夢にあんな恐ろしい怪物が出てこなければ思い出すこともなかった。もういい歳なんだからできれば思い出すことなく一生を終えたかった。
必死に駆ける貴美子の脳裏に封印されし記憶が甦ってくる。まるで亡霊のように。
中学生の頃、美樹はある先輩の男子に恋をしていた。
その先輩はローカルで活躍するバンドのヴォーカルだった。
貴美子は彼の歌が大好きで一生懸命に応援していた。
ライブには必ず行って最前列で応援していた。
そんな想いが届いたのか先輩とはだんだん親しくなってデートとかもするようになっていった。
ファーストキスもその先輩に捧げた。
幸せだった。
大好きな男性と相思相愛でいられるのだから世界がメルヘンでカラフルに見えていた。
もしかしたら先輩は自分を求めてくるのかもと期待していた。先輩にならヴァージンも捧げてもいいと思っていた。
ところが地獄は突然に訪れた。
純情無垢な少女にも容赦なく悪意は牙を剥いて襲いかかってくる。
先輩とのデートで連れて行かれたのは芸能事務所の一室。そこには何人ものアーティストを輩出した敏腕プロデューサーが待っていた。
「連れてきたぜ、約束は守れよな」
と先輩は冷たく言った。
「おお~っ、これは上玉だ。任せてくれ、必ずお前をビッグスターにしてやる」
プロデューサーは興奮して鼻息を荒くしていた。
うぶで鈍感な貴美子にも事態はすぐに理解できた。
この敏腕プロデューサーに売り出してもらうための生け贄として貴美子は売られたのだ。
「いや、助けて」
貴美子は泣きながら先輩にすがるが、「悪く思うなよ。オレのことを愛してくれるならオレの力になってくれ」
と冷たく言って獣の前に貴美子をひとり残して立ち去ってしまった。
このプロデューサーはロリコンでヤラせてくれる女子中高生を紹介してくれたら先輩をプロデュースする約束だったのだ。
貴美子・・徳造のことをカネで買っていた女社長は胸騒ぎを覚えて本能的に駆け出した。
昨夜・・徳造と美樹が逝った頃に恐ろしい夢を見たのだ。恐ろしい怪物が現れて徳造を殺してしまう。
その恐ろしい怪物はどこかで見たことがある。
貴美子は遠い記憶の中に自らが描いたその怪物の姿を思い出していた。
それは貴美子がまだ中学生の頃だった。
できれば一生思い出したくなかった、封印されし忌まわしい記憶。
夢にあんな恐ろしい怪物が出てこなければ思い出すこともなかった。もういい歳なんだからできれば思い出すことなく一生を終えたかった。
必死に駆ける貴美子の脳裏に封印されし記憶が甦ってくる。まるで亡霊のように。
中学生の頃、美樹はある先輩の男子に恋をしていた。
その先輩はローカルで活躍するバンドのヴォーカルだった。
貴美子は彼の歌が大好きで一生懸命に応援していた。
ライブには必ず行って最前列で応援していた。
そんな想いが届いたのか先輩とはだんだん親しくなってデートとかもするようになっていった。
ファーストキスもその先輩に捧げた。
幸せだった。
大好きな男性と相思相愛でいられるのだから世界がメルヘンでカラフルに見えていた。
もしかしたら先輩は自分を求めてくるのかもと期待していた。先輩にならヴァージンも捧げてもいいと思っていた。
ところが地獄は突然に訪れた。
純情無垢な少女にも容赦なく悪意は牙を剥いて襲いかかってくる。
先輩とのデートで連れて行かれたのは芸能事務所の一室。そこには何人ものアーティストを輩出した敏腕プロデューサーが待っていた。
「連れてきたぜ、約束は守れよな」
と先輩は冷たく言った。
「おお~っ、これは上玉だ。任せてくれ、必ずお前をビッグスターにしてやる」
プロデューサーは興奮して鼻息を荒くしていた。
うぶで鈍感な貴美子にも事態はすぐに理解できた。
この敏腕プロデューサーに売り出してもらうための生け贄として貴美子は売られたのだ。
「いや、助けて」
貴美子は泣きながら先輩にすがるが、「悪く思うなよ。オレのことを愛してくれるならオレの力になってくれ」
と冷たく言って獣の前に貴美子をひとり残して立ち去ってしまった。
このプロデューサーはロリコンでヤラせてくれる女子中高生を紹介してくれたら先輩をプロデュースする約束だったのだ。