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愛のシンフォニー
第12章 転生
「サガ」はめでたく定番の歌に入ることになった。

「サイテー」とか言いながらも女のコたちも笑って拍手をくれるのはポイントが高い。
こういうエロネタはあまり下品だったりやり過ぎるとドン引きされるかもしれないある意味危険な賭けでもあるのだ。

ヨシキのライブは大いに盛り上がって、物販ではCDを買ってくれる人もけっこういたので懐も少しは潤っていた。

住み始めたばかりのアパートに向かう途中でコンビニに立ち寄った。
エロ本コーナーを物色すると新しい女子高生モノの本が出ていた。ビニールテープが貼られていて中が確認できないのがもどかしいが期待できそうな感じだ。

結局由志喜はその女子高生モノのエロ本を買うことに決めて夕飯の弁当とビールと一緒にレジに持って行った。

レジは少し歳はいってそうだがキレイな女性だったのでしまったと思ったがレジ前まで来て後戻りはできない。

覚悟を決めて背表紙を上にして本を置いたが無駄な抵抗でエロ本だということはすぐに分かっておばさんはくすくすと笑いながらバーコードを読み込んだ。

「若くてイケメンなのにこんな本を買って・・カノジョいないのかい?」

「う、うん。残念ながらカノジョできなくてさあ」

おばさんが話しかけてきたので由志喜はばつが悪そうに頭を掻いて返した。

「あらまあ~、可哀想に。おばちゃんでよかったらお相手しようか?」

「い、いえ・・また今度お願いします」

おばさんは社交辞令的に相手になると言ってくれたのだと思うが、由志喜は真っ赤になって丁重にお断りをした。その由志喜の様子が可愛くて面白くておばさんは愉快そうに笑った。

危ないところだった。由志喜は年増の女性も好きで、けっこう好みのタイプだったので本気で口説いてしまうところだった。

多分結婚もしてそうだし、いくら向こうからけしかけてきたとしてもそういう女性と関係を持つのは道徳的に憚られる。

でもいい女だった。服の上からでも分かるいいおっぱいしてたし・・。ダメモトでもお願いしてみればよかったかなと由志喜は少し後悔しながらアパートへ向かった。股間が騒がしくなって歩きにくい。

アパートへ帰るとビールを飲みながら弁当を食べる。アーティストとはいえ生活はこんな感じで慎ましい。

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