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女王のレッスン
第4章 ■仕事のケンガク
「お願いしなきゃ。結衣子さん」
「いやぁっ……それ、いっ……」
「気持ちいい?」
「痛、ぁ……」
「ほんとに駄目なら『無理』って言えばいいって約束でしょ」
「違、あぁっ……!」
今度は力任せに引っ張ってクリップを外す。脱力して倒れそうな彼女を稜くんは抱き締めて支え、背中の結び目に手を掛けた。
痛みを与えられているはずなのに、彼女は彼に絶対の信頼を抱いているように見えてしまう。このふたりはそれほどの深い仲なのだろうか。
目を閉じたい、と思う一方で、自分の吐息の熱さにも気付く。
人のそれを見たくないのか、結衣子さんと稜くんだから見たくないのか、こういうのを見て自分も興奮してしまう事実が嫌、なのか。
「お、願……稜、く……」
「……少し解きます」
しゅるしゅると手際よく、稜くんの手は彼女に施した緊縛を解いていく。
胸縄だけを解いて、彼は彼女の頬を手で引き寄せ口付けた。
痛みを与えた後に、優しいキス、なんて。
サディスティックな表情をしながら、時折垣間見せる愛おしそうな目。
彼女には見えないけど、私には見える。
これは稜くんがする、結衣子さんへの奉仕の形?
「ひぅっ……!」
「指が滑る」
下着の上に指を掛けたようだ。くちゅ、と水っぽい音が鳴った。
「女王様してるの、不思議だな」
「あっ、あぁ……」
稜くんの手が腰で結ばれてるリボンに掛かり、するすると音もなく解く。反対も。
布が引き抜かれて、その手が沈んだ。
「はあぁっ!あっ……んぁっ……」
「なんですかこれ。ぐちゅぐちゅいってる」
言葉通りの卑猥な音が私の耳にも聞こえてくる。
こんな風に聞こえるんだ、と、妙に客観的に思ってしまい、自分がされてるかのように眉根を寄せた。