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女王のレッスン
第4章 ■仕事のケンガク
「やっ、やめ……」
「やめてほしい?」
「っ……ぁ……め、……いで……」
「そうだよね。ここもこんなに勃たせて」
「待っ、だめ、あ、ああぁぁっ!」
結衣子さんの身体が強張って、稜くんの腕が強く腰を抱く。
何度も脈打つそれを受け止めるように。
「っ……はあっ、はっ……ぁ……」
「……何勝手にイッてるんですか。許可した覚えはないんですけど?」
行動と真逆な言葉と、優しげに伏せられた目。
相反するものが独立している、というのは、こういう部分のことなのかな。
全部自分に返ってくるから自然と湧いてくると彼は言った。
だけど彼らの語る愛は、私の思い込んでいる愛とも様相が少し異質。
「結衣子さん、ちゃんと言わなきゃ」
「……ごめ、……なさ……」
「そうじゃなくて。どうして欲しいって」
「やっ……」
「全部解くまで待ちますよ」
「あ……」
残っているのは三点留めだけ。解くだけなら大した時間は掛からない。
稜くんの手が結衣子さんを抱きながら縄尻を落とし、解いていく。
結び目が解かれればあとは僅か。上腕のそれが外れ、後手のも緩み、ブラジャーも取り払われて彼女は綺麗な裸体を晒す。
「……本当に意地っ張りだなぁ」
「なに、やっ……!」
稜くんは彼女の肩を押してベッドに倒した。シャツを脱ぎ捨てベルトを外す。
金具の音に彼女は身体を震わせ、逃げ出したそうに膝を立てた。
ジーンズも下着も取り払った彼のことが正視出来なくて目を少しだけ逸らす。
そんなこと露知らず彼は彼女を組み伏せ、彼女の口に自身のそれを近付けた。
「言って」
「や……りょ……く……っ」
小さく舌打ち。したと思ったら腰が沈む。
「んむぅっ……!」
「これでしょ?」
無理矢理に口内を蹂躙して、彼は緩慢に腰を揺らした。
快感を得ているのか、低音の声が時折甘く掠れ、やけに色気を感じさせる。
苦しそうな息と声が漏れ聞こえる中、彼の視線が、手が、私の方へ向けられ、下へひと振りされた。
伏せろってことだろうか。音を立てないようにそろそろと身体を縮め、その先は見えず音だけになる。