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女王のレッスン
第4章 ■仕事のケンガク

瑛二さんの所の最寄り駅に着いて地上を目指す。
訪れるのは3回目だ。5分程歩いてマンションの前に着いた。携帯を見ても返信もない。
エレベーターで上に上がりドアの前、インターホンを鳴らす。

「はい」
「遥香です」
「早かったな」

数秒後にドアが開くと、シャツにスキニー姿の瑛二さんが顔を覗かせた。
いつもより綺麗め。お散歩仕様なのかもしれない。

「はい、おつかい」
「ありがとう。悪かったな」

差し出した袋を受け取り、そのまま中へ入っていく。

「鍵はー?」
「よろしく。ああ、お前イヤホン持ってるか?」
「イヤホン?あるけど」

後を追って部屋に入った。相変わらず生活感がなくて静か。
デスクにパソコンと家電量販店の袋と空き箱やケーブルが拡がっている。

「今日は俺と依頼人がデートしてるのを後ろからお前がついてくるだけでいい」

瑛二さんはパソコンに視線を落としながら説明を始めた。

「そうなの?それでなんでイヤホンが……」
「会話聞こえた方が面白いだろ。会話の必要はない。俺が装着してるマイクからの音声聞いてろ」
「何時間くらい?携帯持つかな」
「外にいるのは精々2時間だな。充電するならしてくといい。モバイルバッテリーもあるしWi-Fiもそこにある。設定する?」
「うん」

携帯を出して電池を見る。残量は92%だったけど念の為ケーブルを繋いだ。
Wi-Fiの設定を済ませて瑛二さんを見ると、何やら真剣にモニタに見入ってて、私の視線に気付き目だけこちらを向く。

「終わったら後で接続テストだな」
「わかった。瑛二さんは何してるの?」
「昨日の写真と映像チェック」
「え、観たい」
「言うと思った。こっちこい」
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