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女王のレッスン
第4章 ■仕事のケンガク
「ありがとう」
メモリーカードを出してラップトップに接続するとすぐに画像が表示された。
カフェで撮った、スカートを捲り上げて微笑んでいるあの写真。
「ああ、よく撮れてる」
画面に映る複数の彼女を愛おしそうに眺め、頷いてる。
「いいね。これは緊縛中のか」
「そう。綺麗だったから。でも酷い逆光」
「いや、影がある感じで悪くないよ。案外そっちもいけるかもな」
ははっ、と笑って目を細めた瑛二さんは、チェストから封筒を一通出し、私に差し出した。
「何?これ」
「ギャラ。大した額じゃないけどな。思った以上の刺激だったみたいだ。あいつが縄だけでイッたの初めてだよ」
「嘘、だってあんなすぐ……」
「本当だ。俺もちょっと驚いた。いつもは余韻に浸りたいっつって駅のトイレでオナニーしてるって言ってた」
早く受け取れ、と言いたそうにずいと突きつけられ、仕方なく手を出した。
「ありがとう」
「さて、感想でも聞こうか」
椅子の背もたれを鳴らして瑛二さんは私を見上げる。
「普通の人、だったね」
「そうだな」
「すれ違っても、服の中に縄があるなんて多分思わない」
口をついて出てくるのは、感想というよりも感情に近かった。
「うん。でも、秘めてる女ってセクシーじゃねえか」
その言葉にこくり、と頷いて続けた。
「瑛二さんが撮ってあげたいって言ってたのわかった気がした。縛られてる内に段々綺麗になってくんだね」
「そうか」
「あ、あとフォーク落とせって言った時もちょっとその気持ちがわかるなって」
「ほう。どういう風に?」
「だって彼女は見られたくないし、見られたい訳でしょ?その矛盾は確かにわかったし煽りたいとも思って、ちょっとしたS心が芽生えちゃった」
「ふうん」
顎に手を当てて瑛二さんはニヤニヤとしている。