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女王のレッスン
第4章 ■仕事のケンガク
そうなんだ。てっきり瑛二さんは、結衣子さんには話していると思ってた。もしかして、結衣子さんが嫉妬するから?
土曜日あったことをさっと説明した。
緊縛、公園デート、カフェでのこと、家に帰ってからのこと。
話し終えると稜くんは加虐的な顔でニヤニヤし、結衣子さんは感心したように頷いて微笑みを浮かべた。
「いい方で良かったわね」
「本当に。絶頂の瞬間なんてもっと厭らしいものって思ってたのにそれすら綺麗でした」
「入り込みやすいんだね、いいことだ。俺はどうしても人のはAVに見えてしまう」
「人のプレイがAVってドライに言い切れちゃう所は本当にソリッドね、稜くんは。混ざり気ないの」
「だからかな、切り離して見ちゃうんですよね。自分がすれば集中するし夢中にもなるんだけど。何が違った?リアルで見て」
稜くんのニヤニヤはこれが聞きたかったせいかと半ば呆れながらも口を開く。
「全然。生々しいし変化にも驚いた。臨場感もあって息遣いや表情が伝わってくるからこっちものめり込んじゃった」
「ふうん、そう」
ククッと意地悪い笑い方。望んだ答えだったかはともかく、どちらにもそこは共通してた。
伝わってきちゃうのだ。色んな思惑が。
もっと乱したい。乱されたい。私を見て、いや見ないで。辱めたい。恥ずかしい。
「だから、さっきのも夢中で見ちゃいました。常連さんですか?あんな状態になるなんて」
「いえ、新規よ。初めて来たの」
「え?それでいきなり?」
「元々願望が強い人は一気にハマることもあるわね。でも彼は早かったかも」
「結衣子さんは、瑛二さんもだけど世界を作るのが早いから。一瞬で引っ張って掴む」
「あらそう?嬉しい」
「常連になりそうですね。さっきの人」
「そうね。あ、首輪と鞭……」
「いいですよ。更衣室ですよね?俺持ってきます」
「そう?ごめんね、ありがとう」