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女王のレッスン
第5章 ■努力のタマモノ
縄がゆっくりと全裸の彼女を彩っていく。
息を詰めて、その緊縛師の手捌きを見逃さないように見ていた。
最初緊張を覗かせていた彼女が、最初にその糸を解いたのは、彼が彼女を抱き締めた時。
世界で一番大切だと言わんばかりのそれは彼女の力が抜けるまで続き、そこから彼は解けた緊張の代わりに縄を掛けた。
後手縛り。縄を通すごとに今度は心が解けていくよう。彼女の息が少しずつ熱くなっていく。彼の世界が出来ていく。
胸縄が掛かる頃には、彼女の瞳はすっかりとろんとしていた。
ゆっくりなのに変化が早すぎてわからない。心が解けてく過程が見えてこない。それが必要なのはわかるのに、経験不足がもどかしい。
瑛二さんにされた時は、考えることも碌に出来なくてまともに思い出すことも出来ない。
結衣子さんの時は、とにかく圧倒されていた。
もっと自分で体験したらわかるのかな。でも秘めてた訳じゃないからわかるのだろうか。
「はぁ……っ」
もう完全に支配下に置かれてしまった。こんなに注意して見ていても、わからない。
「シホ。見られてるぞ、あいつらに」
「あ、あぁっ」
膝立ちにさせ、耳元でわざとらしく告げて、彼の手が縄に挟まれ晒された彼女の胸をするりと撫でる。先端には触れない。
縄の横を伝うように首、胸、お腹と降りて太腿に触れる。黒子のように背後からずっと。
「旦那以外に縛られて」
「ひっ、あ……」
「それを旦那と初めて会った女に見られて」
「いや、言っちゃいや……」
「もう腰振るなんて恥ずかしいな」
「……っ!」
「俺はまだまともに触ってもいない」
嘲笑に彼女の身体が震えた。いやいやと身を捩るけど、彼は彼女が触れて欲しがっている場所には手を出さない。
「どうした」
「なんでも……っ」
「して欲しいことがあるなら旦那の許可を取れ」