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女王のレッスン
第5章 ■努力のタマモノ

深い溜め息を吐きながら、彼がいた場所に瑛二さんが座る。

「お疲れさま」
「あー。疲れた……」

気の抜けた返事に苦笑いして、彼らを見る。随分と優しいキスをしている。

「……なんか話したのか?カイさんと」
「ん、まあ、軽く」
「なんて?」

掻い摘んで話す。聞き終えると瑛二さんは乱れた髪を掻き上げて妙に熱っぽい視線をふたりに向けた。
ナミさんがカイさんに正常位で抱きつき彼を受け入れて、さっきより随分と甘い声で喘いでいる。

「どうかした?」
「俺の後にそのままなんて今までなかった」
「え……」
「驚かしてくれるね、アシスタント」

言うと瑛二さんは私の頭にぽん、と手を置くとそのまま髪をひと撫でした。

「ちょ、何」
「褒めてんだよ。俺相手に吐露はしなかっただろうからな」

乱された髪に指を入れて、隣を見る。事後のせいもあってか猛禽類らしからぬ蕩けた目に色を感じてどきりとした。

「……瑛二さんの手ぇ汗っぽい。シャワー浴びてきなよ」
「ああ、確かにプレイの後にラブラブエッチとか見る気になんねえわ」
「依頼人になんて事言うの、サイッテー」
「お前いりゃ十分だな、多分。オナニータイムやるよ」
「ほんっとやだもう。しないって」
「へぇ、今日は平気なのか」
「平気っていうか……いいから早く行って来なよ。私、見てるから」
「そうか?まあいい。ご自由に」

ニヤニヤと私を見下ろしてから、瑛二さんはその場から立ち去る。
別に平気という訳じゃない。ただ、今はひとりでするよりも、セックスの方がしたいと思った。
彼らの愛情表現が歪なものだとしても、そこには確かに愛が存在していて、それにとても感化されてしまっていた。

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