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女王のレッスン
第5章 ■努力のタマモノ
帰りの車の中、まだ迷っている。時間が経てばもう少し収まるかと思ったのにそんな気配もなかった。
どうしよう。とは言えアテなんて満くんひとりだし、あとは単独で691くらいしかない。
「どうした。疲れたか?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど」
「結局してなくて悶々としてんのか」
「だぁから、なんていうか……むしろセックスしたいっていうか」
ウインドウに肘をついてぶっきらぼうに言うと、瑛二さんがははっと声を出して笑う。
「な、何よ……」
「言うようになったなルカ。惜しいな、さっき出すんじゃなかった」
「瑛二さんとプレイとか嫌だし!」
「お前ならちゃんと抱いてやるよ」
「もーやだ!大体瑛二さんのプレイと抱くの境目ってなんなの!?」
「……余裕の有無かな」
「何それわかんな……」
……くもない、と思い直して言い淀んだ。先週見ていたんだ。余裕のない瑛二さんの事後。
今日見たそれとは全然違ってた。
「なんだ」
「ううん、納得しただけ。ちゃんと抱いてたんだなって」
すると向こうも理由に行き着いたらしい。軽く舌打ちしてだるそうな顔をする。
プレイはとうとう見てしまったけど、抱く時は一体どんな感じなんだろう。
「で?どうすんだ?691でも行くのかミツでも呼び出すのか」
「単独ってどう思う?」
「正直勧めはしないね。チヤホヤされて気分は悪くないが面倒だってどっかの女王が言ってたぞ」
「……そのどっかの女王はどう対応したの?」
「5人程の勃たせたソレを吟味した上で『物足りない』っつって帰ってきたらしい。その度量があるなら行って来い。送ってやる」
「無理ですね」