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女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク
「悪くないね」
「……顔写さないでよ」
「わかってるよ。心配すんな」
「瑛二くんが縛るの?稜くんと満くん」
「迷ってる。お前らがやっても様になるだろうな、縛り方なんて感性でいくらでも変えていい」
「ええ?私も?」
「ああ、その辺は問題ないと思ってるよ。飾り縄と首手首のやり方練習な」
撮影会は行ってみたいと考えていたけれど、思ってもみない形での参加になったらしい。
絵コンテを見ていると、瑛二さんの撮りたい様子がありありとわかる。
どう縛ったらこのイメージになるか、想像も出来た。何をベースにして、どこを留めて、どこに閂を入れて。
飾り縄の部分はまだ難しいところもあるけれどある程度はわかる。
自然と気分が湧き上がった。
「絡みと野外は早めに終わらせたいから稜カナハルは朝から入って欲しいけどいけるか?」
「オーナー次第。俺6時間は寝たいな」
「前日は早仕舞いしましょう。みんなでここに泊まってもいいわね」
「助かります」
「じゃあ俺3人迎えに来るわ。ミツはタケが連れてくるし、ユイはルカを昼過ぎに連れてきてくれると助かる」
「え?私撮るのに昼過ぎでいいの?」
「シーン的には夜の時間がいいんだ。昼過ぎから来てくれりゃ十分。撮影の時は稜もな。吊りやるから」
「わかった」
「じゃあ一泊の割に泊まるのは案外少ないのね」
「ああ、この4人になるかもしれない」
「そう。気楽でいいわ」
書き込みがされた間取り図に目を通しながら結衣子さんは息をつく。
「晴れるといいわね。楽しみ」
「じゃあ、よろしく頼む」
瑛二さんが頭を下げ、今更ながら本気でやろうとしているのだと実感して気が引き締まった。