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女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク

「瑛二くんの同行はどう?面白い?」
「とっても。勉強になることだらけです。依頼人もいい人ばっかりだし」
「そう、それならよかった。プレイを見るのも慣れた?」
「正直そこはあんまり。緊縛して世界を作る所まではいいけどその先は毎回ドキドキですよ……あと鬼畜プレイは苦手かも。全身洗濯バサミとか鼻フックとか見ててつらくなっちゃって」
「つらくなるのわかるわぁ。でも彼にとっては相手に望まれた奉仕なのよね」
「みたいですね。終わった後、みんな嬉しそうだからびっくりします。挿入なしでも自分はいいって言うのも本当だし」
「へえ、それ未だに信じられないのよね……」

結衣子さんは訝しげに言って息を漏らす。
それは瑛二さんが結衣子さんを『抱く』からだ。
彼女が知ってる彼はそれだけで、私が知ってる彼は『プレイ』している彼だけなのと同じ。
彼のプレイスタイルは恋人のような接し方から時には主従を思わせることまで幅広い。
勉強のつもりで味わってみたいとも思わなくもないけど、依頼してくる人たちのように、私は自分の嗜好を言語化出来るとも思えない。
一方で、手でイカされてしまったあの日のことがとても鮮烈に残ってる。
もしこれが最初から最後まで触れられたらどうなるのだろう、と。それも彼の世界にどっぷりと浸かった状態だったら。

それにしても結衣子さんは、仕事とは言え他の人の身体に触れる瑛二さんの傍にいることは、折り合いがつくものなのかな。
まあそれは彼女も似たような部分があるからお互い様なのかもしれないけど。
彼女が稜くんに抱かれる時は、どんな想いがあるのか、とか。
彼を代理にしてる、だったら、さすがに哀しい。

「プレイしてみたいって思う?」
「え?プレイって私が?」
「そう、遥香ちゃんが瑛二くんと」

質問の意図が読めなくて言葉に詰まった。
なんなのそれ、私と瑛二さん?軽く言ったけどスワッピングとは訳が違う。
相手を交換して楽しみましょう、じゃなくて、自分のパートナーとしてみたいですか、って。

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