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女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク
そっちをちらりと窺うと、私達がいることに漸く気付いたみたいに「おお」と呟き傍に寄ってきた。
疲れの色、って程のものは見えないけど、実際朝からやっている訳だし平気ってことはないだろう。
「順調?」
「まあまあかな、野外も終わって顔出しモデルはひと通り帰した。あと身内」
「そう。稜くんと満くんは私達でやるからご飯食べてきたら?最近のケータリング優秀ね、ちょっと摘んだの美味しかった」
「そうする。ルカも適当に摘めよ」
「はーい」
「あとこれも渡しとく」
差し出されたのは以前チカさんの同行で使ったコンデジだった。
ストラップがついてる。受け取ろうとしたらそっちを広げたから首を差し出し提げてもらう。
「好きに撮っていいの?」
「任せるよ。 あいつらの縛り方もな。絵コンテはそこにあるけど思うままにやってみろ」
キッチンに向かった瑛二さんと入れ替わりに稜くんと満くんが入ってきた。
かっちりとしたスーツ姿でふたりとも髪を下ろしてる。新鮮で思わずじろじろと見て早速撮ってしまう。
「素敵ね、思った通り」
「うん、ふたりともかっこいい」
「結衣子さんの思った通りって癪だなぁ」
「あれ、もしかしてこれ陛下のアイディア?」
「そうよ、男性のスーツは抑圧の象徴って感じするもの。こっちいらっしゃい、広い方がいいわ」
結衣子さんが先導して居間へ移動する。ふたりに直立して貰い手に縄を持った。
指示は後手だけど気を付けとかもいいな。前に手を差し出して名刺交換風とかも悪くない。
「まあ滅多にない機会なんで、心酔させて下さい。女王様?」
サディズムを隠し切れない蛇が不敵に笑い、女王を煽る。
「M転させたら責任取るわ」
女王も負けじと艶然と微笑んで、彼女は彼の顎をひと撫でした。