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女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク
緊縛師の腕が何度も私の身体を抱いていく。手入れの行き届いた麻縄と力強い両腕で。
練習では何度もされた胸縄も、下着がないというただ一点の懸念だけで羞恥心が一層湧いた。
両手首は梁から下がる縄で纏めて固定され、唯一動かせていた脚が彼の手に取られ持ち上げられる。
「えっ、ちょっ!」
「ん?痛いか?」
「あっ、脚まで吊るすとか絵コンテになかったけど……」
「したくなったんだよ。見えてパンツだ、気にするな」
「気にするしっ!」
裾よけと襦袢が割れて太腿まで露わになっても抵抗出来ない。
頬が紅潮していくのがわかって瑛二さんを見てられず顔を腕の影に隠した。
「ちょうど顔も隠れるか。始めるぞ。監視よろしくな」
「任せて」
ふたりのサディスト達の視線がそれ目的じゃないとわかっていても、別の話。
ただ自分の格好が恥ずかしい。だけど反面、この状況に反応していく自分もいて恐怖と不安と、若干の、興奮。
目が必要、と同行の時に言われて見ていたけど、その理由にも納得した。晒されるというのはこういうことなのかと。
シャッターが切られて目を閉じる。彼が動く気配が自分の周りを漂って、あらゆる角度から撮っているのがわかる。
「顔、稜の方向けて」
重たい瞼をこじ開けて指示に従った。稜くんが嗤っているのが見えて益々頬が熱くなる。
「稜、ルカの顎後ろから掴め」
「は!?」
「俺柄シャツだよ。脱ぐ?」
「ん?ああそうだな……」
「風情ないわね、作務衣そこの押し入れに入ってるわ」
ちょうど廊下を通り掛かったバスローブ姿の結衣子さんが入ってきた。目がまた増える。同性の目。
「いいね作務衣」
「和服同士合うからね。上だけ脱いで、稜くん」