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女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク
すぐ横で着替えがされて、作務衣を纏った彼が動けない私の背後についた。
心臓が跳ねる。こんな格好で触れられてしまうなんて、と吐き出した息は少し熱を帯び始めている。
肩に手が載せられた。全身に走る緊張感、間違いなく伝わってるはずだ。
「そんな怯えないでよ。傷付く」
「どの口が言ってんだか……」
「リラックスしなよ。少しは慣れたんじゃないの?」
「その余裕ムカつく」
ぷいと顔を背けたその時、顎に指が這い、有無を言わさず上を向かされる。
上下で交わる視線、怖いと思う程鋭くて息を呑んだ。
羽根を載せられた時みたいに目が離せなくて、強制的に開かされている下半身がズキ、と痛みを伴って疼く。
そこに注目があろうとなかろうと、そこにどうしても意識が向かって全身が敏感になっていく。
「これでいい?瑛二さん」
「ああ、ついでにお前も好きに動け」
こんな時に、ちょっと、何。
「何それ、知らないよ?」
「加減しろ。出来んだろ」
「努力はするけどさ」
待ってってば、何今の会話。私のこと丸ごと無視して勝手に進めないでよ。
抗議を込めて彼を呼ぼうと口を開く。
「稜く」
「少し黙って」
抵抗不能の身体。容易に手で口を、次いで目を塞がれた。手は口から首へ移動したけど、何も言えなくなった。
聞こえるのは自分の鼓動と息遣いとシャッター音。
遠慮なく身体を密着させてくるせいで感じる彼の体温と、微かにだけど、下半身の固さ。
やばい。危ない。もしこのままこの手が胸まで下りたら、或いは太腿とか撫でられてしまったら、私きっと声が出てしまう。
頭の中白くなりそう、と思った矢先、目に当てられていた手が、そして身体が離れてやっと正面を向く。
息つく間もない、とはまさに。我慢出来ずに深呼吸して頭を振った。