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女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク
「瑛二さん、このままじゃルカ完全にスイッチ入っちゃうよ」
「あー……しょうがねえな。まあ撮りたいものは撮れたからいいか」
「無茶はよくないわ。解きましょう」
立ち上がった結衣子さんの言葉に安堵が拡がって、全身から力が抜ける。
吊られた膝と手首に負荷が一気にかかり、意外に力んでいたことを知った。
「稜解いてやって。俺ら和室で準備してる」
「うん、終わったら行く。ルカの着物は?」
「着替えてさっきの部屋に置いといてくれたらいいわ。よろしくね」
廊下へ出ていく二人を見遣り、稜くんは無言で私の膝の拘束をまず解いた。血がしっかりと通ってじわり温かくなる。
次いで手首。跡の残るそれを見つめて大きく溜息をつく。
「疲れた……」
「お疲れ。ごめんね、努力はしたつもりなんだけど」
胸縄も解かれて自由になった。身体の疼きの波は去ったものの、熱さはまだじんわりと残る。
困ったな。このままじゃ夜ひとりでしてしまいそう。
「奉仕型の性かな。反応がいいとどうしてもね」
縄を纏めて束ねながら稜くんは穏やかに言った。スイッチが入るのが早ければ、切れるのも早い。
終始見せ付けられる余裕が悔しかった。彼にとってはこの程度、所詮プレイに過ぎないのだ。