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女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク

「はっ、どこ触ってもいいのかよ」
「い、やっ」
「聞かせてやろうか?」

瑛二さんの手が、ずっと触れていなかった脚の間へ沈んだ。

「あああぁっ!」

ひと際大きな喘ぎ声と共に、ぐちゅりと漏れた淫猥な音。
快感と羞恥に耐え切れなかったのか身体ごと手折って結衣子さんは瑛二さんにもたれ掛かる。

「おら。びっちょびちょじゃねえか」

引き抜いた指から伸びた長い糸を彼女の眼前に持っていき見せ付ければ、その事実を認めまいと首を振った。
拘束中の腕と落ちてきた髪のお陰で顔は完全に隠れ、私の所から彼女の表情はもう窺えない。

「や……お、ねが……」
「本当に駄目なら『無理』って言え。いつでも辞めてやる」
「せめ……たり、き……で」
「なんだよ、あいつらいるからこんだけ感じてんじゃねえのか」
「ちが、も……えー、じ……」

彼女の最後の理性を支えるのは恥辱。

「稜、ルカ。好きにしていいぞ。見たきゃ見とけ」
「いやぁぁ……」

首を横に振る彼女を横目に瑛二さんは私達に選択を託し、服を脱ぎ始めた。
少しだけ見ていたい、とも思う。彼が彼女をどう抱くのか。
一方で、見ているのがつらくもあった。
このまま私達が出て行けば、結衣子さんは自身の欲に身を任せられる。
ふたりで、ふたりきりで、快楽の海の底まで沈んでいくことが出来る。
稜くんは、とまた見遣った。相変わらずのポーカーフェイス。下ろした髪のせいで余計にわからないけど、ここで動きはしなかった。
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