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女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク
「……なんで瑛二さんに知られちゃったの?」
「緊縛教わる時に言ったんだ」
「わざわざ?変なの」
「コソコソやるのはフェアじゃないでしょ。俺は彼女の恋人でもない彼に隠れて後ろめたく過ごすなんて真っ平だった。勿論店の他の子には言わないけど」
「ふうん、瑛二さんとあくまで対等になりたかったんだ」
「そりゃね。現にその心意気は買われた。普通の三角関係じゃ出来ないことだ」
「そんな長く関係を続けるってある?稜くんそういう感じしないのに」
「初めてだね。普通の付き合いも含めて年単位なんてない」
「それだけ長いと情とか移りそう」
それはいっそ、願望に近い想いでもあった。
淡々と話し続ける彼の顔を覗き込む。
「あるよ」
「……そっか」
「って言ったら満足?」
そんな私の想いを踏み躙るように、目の前の蛇は薄く笑った。
「……何、それ」
見透かしたようなその物言いが、気に障ったのか、哀しくなったのか、わからないまま顔が歪む。
「そう言って欲しそうだったから。サディストの性?」
「そんなサービス精神いらない。私が普通だからなのかもしれないけど、やっぱ未来が見えないよ。3人ともそのままでいいの?って思っちゃう」
「歪んだ形でしか紡げないんだよ。未来の行末なんて俺たちが決めることだ。ルカには関係ない」
「わかってるよ!だけど私は、みんなのみんななりの愛情表現がそんな歪んでるなんて思えない!」
荒げた私の声にか、内容にか、稜くんが驚いたように目を丸くした。
それはすぐに無表情に戻り、私もすぐに落ち着きを取り戻したけど、昂ぶった熱は下がりはしない。