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女王のレッスン
第2章 ■縄師のテホドキ
「……出来た?」
カナちゃんが後ろを振り返り伺う。私はうまく声が出せなくて頷くだけ。
瑛二さんがすぐ傍に来てひとつずつ指を掛けていった。
「……どうでしょうか」
やっと出た声が少し掠れてる。
いつまでそんな見てんだろう。粗探しでもしてるのだろうか。
「……瑛二さん?」
「カナに感謝しろよ」
「え?」
「今の、忘れんな。絶対だ」
忘れんな?ってことはつまり……
「……合格?」
「ぎりっぎりな。襟留めんとこ若干甘い。遊びをもう少しなくせ。あと顔。顰めっ面で縛るな怖えから」
「ひっ、ひと言多いっての!」
「やったねルカちゃん!」
「馬鹿カナ!緊縛状態で余計な動きすんな!」
全身から力が抜けるように、ぺたんとお尻をついて座り込んだ。
「やったー……」
よくわからない達成感。息をついて思わず額を拭う。手の甲が汗でキラキラとしていた。
「ありがとう、カナちゃん……」
「よかったよかった!」
「喜ぶのはいいから終わったら解け」
「わかりましたよもうー」
喜びも僅かな間。今日何度目かの拘束を解き始めた。
「カナ相手だから出来たってこと忘れんなよ。これが男相手でもだいぶ変わる。手先の器用さを過信するな。緊縛は最終的には信頼関係の上に成り立つものだからな。でも」
瑛二さんにぽん、と頭に手を置かれ
「よくやった」
わしゃっと一度、撫でられた。