この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女王のレッスン
第6章 ■孤高のキンバク

稜くんが本当に抱きたい相手は今、別の人に抱かれている。
彼の同意も何もないままに。

「はっ、あっ……んぁっ」

稜くんにちゃんと抱かれている訳でもないのに、ありありとわかってしまった。
まるで濁流のように流れ込んでくる彼の想い。
こんなの、結衣子さんが少しずつでも受け入れていたとしたら
気付かない訳……

「ごめん。ほんと余裕ないわ、俺」

思えば思う程涙が出そう。

首を縦にひと振りして、受け入れた。
中で脈打って動きが緩慢になり、大きな息を吐いて彼が私の中からいなくなる。

それにしてもなんてわかりやすいんだろう。
普段の彼から想像出来ないほどだ。キスもしなければ名前も呼ばない。肌と肌が密着することもなく挙句縛ったままバック。
普通なら失礼だと罵声のひとつも飛び出しそうだけど、無理もない。
優しく出来ないと言った通り。
手首の縄が漸く解かれて、私もやっとひと息つけた気がした。
こんな交わりもあるのだな、とひとりごちる。

後処理を済ませ床に座り込んで交わった視線。幾分穏やかに戻っていて胸を撫で下ろした。
少しは気が紛れてくれただろうか。何か声を掛けようかと思ったら、「ルカ」と久し振りに名前を呼ばれた気がしてぴくりと肩が跳ねる。

「何?」
「俺、さっき嘘ついた」

彼の言う『さっき』がいつの何を指すのかわからず、首を傾げた。

「何のこと?」
「相手は確かに他にも色々いた」

静かに呟かれた告白に身を乗り出して耳を傾ける。

「でも、俺の腕はもう随分と抱いてないよ」
/320ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ