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女王のレッスン
第7章 ■最後のレッスン

「っ……!」

声なんて出ない。今の私の身体、全部縄が支えてる。
浮遊感に身を任せたら全身を撫でていくみたいに鳥肌が襲った。何これ、信じられない。

「胸と膝の位置は偏りなく平行になるようにな。調節して縄と肌との接触点をなめしたら腰縄を吊り縄に掛ける。膝はここで曲げて縄に掛けるといい」

少しだけ、瑛二さんの声と縄が擦れる音が遠く聞こえた。まさに手も足も出ない状態。私の命運は彼だけが握っている。
今の私の身体、全部、瑛二さんが支えてる。

「痛い所や苦しい所はないか?」
「へい、き」

床ばかりが見えていた視界に瑛二さんの足が入り、私の正面に膝を付いたのが見えて顔を上げた。
一瞬瑛二さんが怪訝そうに眉を顰めて

「お前な……」

すぐに困ったように笑う。

「え……?」
「……なんて顔してんだよ」

彼が近付いてやっと声がクリアになる。
顔の横に流れる髪を除け、頬に触れて、
それだけで、とろけそう。

「……見えないよ、私には。鏡にするならそこに」
「ああ、いい。見えなくて」
「何それ。狡い」
「本当に、片目でいいからカメラになんねえかな」
「またそんなこと……」

奥の方から聴こえてくる嬌声が一気に遠ざかる。
瑛二さんの目が私だけに向けられて、私の目も、彼だけに向いていて。

「悪い、ルカ」
「何が?」
「先に謝っとく」
「だから、な」

に、と続けようとした唇が、彼の唇に塞がれた。
キスされたのだと理解した時には、それがとても自然なものであったかのようにすんなりと受け入れていた。
ほんの、一瞬の触れ合い。
驚く程に、驚きがない。

「……ああ、なんだ」

瑛二さんが離れて最初に私が発した感想は、そんな言葉。

「なんだってなんだ」
「いや、なんか……パズルのピースが嵌ったみたいな感じ」
「……よくわかんねえけど下ろすぞ」
「うん」
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