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女王のレッスン
第7章 ■最後のレッスン
「続きをしようか」
暫しの休憩の後、瑛二さんはそう言ってベッドの上で裸の上体を起こした。
「続き?なんの?」
続きも何もさっきのは一度終わったはず。
「お前を初めて縛った時の、続き」
「ああ、満くんに押し付けていったあの」
「悪かったな。感じさせておいて中途半端に放り出して」
「実はあんまりよく覚えてないんだよね。なんで帰ったの?仕事?」
西日が差し込み淡くオレンジに染まる室内。ブランケットを抱えて起き上がり、隣を見る。
「カナを借りた埋め合わせにユイの所で緊縛ショー。土曜日は早い時間でも客入るから人手なくなると煩くてね」
「なあんだ。そうだったの」
「身体が問題ないなら。どうだ?」
返事の代わりに背を向けた。あの時味わったふわふわとした感覚。吊られた時でさえそこまでには至ってない。
瑛二さんの腕が縄を得て、手を後ろに出そうとしたら、背後から腕が回された。
全身で抱き締められて心地よさに力が抜ける。鼓動の音が溶け合って、重なりそうな。
「お前あの時随分緊張してたな」
「そりゃあね。瑛二さんちょっと怖かったし」
「よくついてきたと思うよ。ここまで。まさかお前から誘われると思わなかった」
「そう?まあ、色々経験しなかったら言えなかったかも」
「度胸据わってるねほんと」
息を吐くような笑いを落として瑛二さんが離れた。縄を解く音がして目を閉じる。
「練習で縛る時、これでも結構気を遣ってた。お前感じ易いから」
「そうなの?知らなかった」
「だろうね」
今度こそ手を後ろに回して組むと、するりとそこに縄が掛かった。
「やっと遠慮せずに済む」