この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女王のレッスン
第7章 ■最後のレッスン
あの不敵な笑みを浮かべているのだろうか。「ああ……」と私から漏れた声は完全に諦観の色を帯びていた。
ビニルが裂ける音がして、深呼吸をする。
あてがわれて、息を止めて、後ろを見遣ると、瑛二さんが笑った気がした。
「あ、あぁ……ひあぁっ!」
ゆっくりと侵入してきたそれに、思わず目を固く閉じてシーツを握り締める。ぐちぐちと割って入る存在感を感じながら入ってきた分細く長く息をした。
全部受け入れると緩やかに抽送が始まる。
「っはぁ、んっ、あぁ」
律動に合わせて止めどなく溢れてくる声。
瑛二さんが中を掻き混ぜて、擦り上げて、その度に素直に身体が反応した。
プレイとの違いは余裕の有無だと言っていたけれど、理解してしまった。
口数が、少ない。
見てきたそれより、ずっと。
「んあぁっ……は、あっ」
不覚にも嬉しいと感じてしまった。
恋をした訳でもないのに、愛しさが溢れて安心感で満たされてそれらを凌駕して快感が身体を支配する。
どんな快感に浸っても彼は、決して見放さない。
全部受け入れてくれる。
だから、せっかくだから、
「やっ、あぁっ……えー、じさ……」
「なんだ」
最初で最後かもしれないから、
「顔、見たい……」
ちゃんとこの人を見ておきたい。正面から。
「……可愛いこと言うね」
ククッと笑われ、引き抜かれた。
身体を返して向かい合い、覆い被さってきた熱い身体。左右の手首を掴まれて至近距離で交わる視線。
自然と閉ざせば唇が重なる。啄むようにしていたそれは次第に舌が絡み、息も声もどちらのものともわからなくなるくらいの錯覚に陥った。
ちゅぱ、と音を立てて離れると、瑛二さんは柔らかな髪を揺らして穏やかに微笑む。
だけど彼自身をまたあてがって挿入するにつれ、私の顔が少しずつ歪んでいくのを加虐的に笑って見ていた。