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女王のレッスン
第7章 ■最後のレッスン
だから全部、ここに置いてって。
聞けてないこと、沢山あるんだから。
そしたら私が全部糧にする。
私は瑛二さんの蝶ではないけど、まあまあ優秀なアシスタントだと思ってくれるなら。
「んあぁ……」
「……ほんと、イイ顔するな」
流れ込んでくる瑛二さんの想いは、受け止めるには少し複雑だった。
離れることを決めた今もきっと考え続けてる。問い続けてる。
『本当に正しいのか』と。
「も、や……瑛二、さ……」
目尻からぱたりと落ちていく涙を、瑛二さんが掬うように拭ってふ、と笑った。
「なんだ」
ここまで来たなら、私も参加させて。
共有させてよ。
うまくはいかないかもしれないけど
一緒に考えて
「……イキたい」
満足そうに瑛二さんが目を細めたのは数瞬。両腕をベッドに縫い止められ、抽送が更に早くなる。
「やあぁっ、あっ……んっはぁっ、イ……ッ……ちゃ……」
「……遥香」
「ふっ……ああぁっ!」
抱いた腕に一層力を込めた。
背が勝手に仰け反って、中の収縮が何度も起こって、瑛二さんが険しい顔をして、呻くような声を聞く。
自分の脈動なのか、彼の脈動なのか、どろどろに融解してもう何もわからなくなった。
ふたりして吐き出す熱く荒い呼吸。酸欠になったみたいに吸って吐いてを繰り返し、落ち着いた頃に瑛二さんが中からいなくなる。
埋め合わせでもするみたいにされた口付けが、
最後が近いことを告げているようだった。