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女王のレッスン
第2章 ■縄師のテホドキ
顎に触れられて眉を顰めた。はずなのに、うまく力が入らない。
なんとか声を出そうとする。
「……なに、これ」
「ん?感じて陶酔。縄酔い手前くらいかと思うけど」
陶酔?縄酔い?感じてる……?
「瑛二さん」
「ミツ」
「あれれ、ルカちゃん酔ってる?」
「そこまでじゃないけど割と感じやすかったみたいだ。解いたらあと頼んでいいか?」
「ええ?そこまで感じさせちゃったんなら自分で責任取りなよ」
「それが出来ないからお前を呼んだんだ。優しくなんて俺が出来ると思うか?」
「自分で言うのもどうかと思うけど、まあ無理だよね」
「それに女王陛下がお呼びなんだよ。カナ2回も借りたから」
「ああそれじゃ……出したら駄目か。しょうがないなぁ」
「悪い。ルカ」
目の前で瑛二さんと満さんが会話してるはずなのに、全部が通り過ぎていく。
「解くから、後はミツを頼れ」
「ん……」
瑛二さんがまた私の背後に回り、拘束を解いていく。
目の前には満さん。手を振られて、ぼおっとしたまま瞬きで応じた。
「聞こえてる?遥香ちゃん?」
小さく頷くと満さんは私を覗き込む。
「説明は後でちゃんとするけど、解いたらちょっとプレイルーム行くよ。今誰もいないし向こうのが話せるから」
プレイルーム?ってあっちの扉の向こうのこと?
私と、満さんが?
手首も解放されて自由の身のはず。なのに頭も身体がついていかない。
また目の前に瑛二さんの顔が来る。さっきより少し焦点が合った。
「じゃあルカ、本当に悪い。これほどとは思わなかった。でもミツなら大丈夫だから」
頬に触れ、心配そうに私を見る。こんな顔、するんだ、猛禽類なのに。
「いいよ瑛二さん」
「ありがとな。来週のことは、あー……名刺渡したな、連絡くれ」
「伝えとくよ。陛下によろしく」
「ああ、じゃあ」
足早に去るのを見届けて、満さんがまた私を見た。