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女王のレッスン
第2章 ■縄師のテホドキ
拓けた方に背を向けて、服の上からそこに触れてみる。
「っ……!」
頭の先まで抜けるように快感が走り、ぎゅっと目を閉じた。
ああ、こんなの、このまま帰れる気がしない。
「お待たせ、気分は?」
満さんがグラスを持って入って来て、私にそれを差し出した。
「……ありがとう、ございます。だいぶ、まともです」
起き上がり、受け取って飲む。手がひんやりとして気持ちよくて、上気した頰に当てた。
「俺にとってセックスは特別なものじゃない。水を飲みたいと思うくらい自然。時々コーラやアルコールも欲しくなるだけで」
彼は言いながら隣に座る。
「気休めかもしれないけどね。欲求に素直になるってのはそういうことだと思う。勿論個人の倫理観次第ではあるんだけど、これでも俺は既婚者とだけはしない」
「恋人持ち……は、いいの?」
「恋愛は自由だよ。だからしたいって言われたらする。その後に相手が何を感じても俺は気にしない」
気持ちいいほどに寄り添って、突き放して。見失いそうになる。
まとも、ってどこが?おかしいでしょ。
「……満さん」
「ん?」
「したい、です。私……」
全然まともじゃない。縄解かれたら、ブレーキまで解かれた。
「わかった」
力強く肩を抱き寄せられて、胸に頭が当たる。
包むようにして私の手のグラスを満さんは取り、中身を口に含む。喉が鳴る音がすぐ近くでした。
「遥香ちゃんは水を飲むだけだよ」
暗示を掛けるみたい。耳元に柔らかい声。
もう一口含んだと思ったら、肩を抱く手に顔を上に向けられ唇同士が触れ合い
温もった水が流れ込んできた。
「始めようか。ルカちゃん」