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女王のレッスン
第1章 ■最初のレッスン
「そうなんだ。へぇー」
「ひ……引かない?」
「んーまぁ臭いとか汚いとかなんか気持ち悪い特殊なのだったら付き合えないけどこのくらいなら」
「男なのに、とか」
「女王様ってのがいるんだから不思議じゃないよ」
「そっか……」
柊平は随分と縮こまった様子でいる。
別に好きなら好きで堂々としてればいいのに。そういう方がむしろ引く。
会社員4年目26歳の彼は同じ会社の1年先輩で、入社当初の私の指導をしてくれてた。
爽やかな見た目とゴールデンレトリバーみたいな雰囲気で周りの人からも愛されてる。
今でこそ部署は違うけど、その異動のタイミングで告白されて今の私達がある訳で。
「……してみたい?」
「う、ん……」
「でもどうやったらいいんだろ?」
「アダルトグッズのお店行けば道具も買えるかな」
「そうか道具がいるよね……」
正直そこまでしなきゃいけないの?って感じで、提案したものの尻込みした。
もうちょっと手軽に、でもってどうやったらいいかわかるのは……
「あ、あとSMバーとかハプニングバーとかで講習会があったりする」
「講習会?」
「縛り方とか教えてくれるんだって」
「縛り方講習ね……」
柊平に聞きながらぼんやりと考える。
私は別に自分ではSでもMでもないと思ってる。まあどっちかって言われたらM寄りかな、くらいで。
だからこうやって自分の彼氏が自らMと言い切るくらいなのは、きっとそれなりに強い願望なんだろうって。
最近セックスが月に1~2回くらいになってたのは、もしかしたらそういう所にも原因があったのかも。
「……行ってみようか」
「いいの!?」
「あ、でも高いとかだったらちょっとあれだけど……」
「俺出すよ全然!」
喰い気味の勢いにちょっと驚く。旅行ひとつ決めるのも大変だったりするのに。
「じゃあ、休みの日にやってるやつで」
「わかった。調べとく」
嬉しそうな笑みを浮かべて柊平は私の唇に軽くキスをした。
「……しょうがないなぁ」
私は本当に、発した言葉の通り思ってた。