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女王のレッスン
第2章 ■縄師のテホドキ

「広いね」
「ああ、元々2LDKだった壁ぶち抜いた」
「撮影も緊縛もここでするの?」
「その時々によるな。ちょっとした緊縛写真だったらここでするし、こだわりたければ他に行く」

コーヒー豆をざらざらとミルに入れながら、瑛二さんは続ける。

「依頼があってここで縛ることもあるけど大体は出張先だな。慣れた奴はここでいいんだけど」

スイッチが入った。ガリガリと音を立てて豆が挽かれていく。
瑛二さんがそこから離れて私の横を通った時、香りも一緒に連れてきた。

静かな部屋。
私はバッグを床において、壁の緊縛写真を眺める。
胸縄を掛けられて背を反らす女性や、着衣緊縛、手首を吊るされてる女性、
カラーもモノクロも交じるその中でひとつ、人間ではないものを固定したフレームがあった。
美しい翅を広げた、4匹の蝶。
見る角度によって色が変わるその蝶は、今にも飛び立ちそうな程生命力に溢れている。

「これ、本物?」

デスクにいる瑛二さんに思わず声を掛けた。怒られるだろうかと一瞬思ったけど

「本物。作ったんだ。それもある意味作品だから」

意外にも穏やかに返ってきた。
猛禽類と蝶。同じく羽を持つ生き物とはいえ随分と不釣り合いな。
とは言え、繊細な人なんだろうとも思う。縛られてみたからかなんとなくわかる。

ミルの音が鳴り止んだ。瑛二さんは小さく「よし」と呟いて顔を上げる。

「終わり。用意するからスツール座っとけ」
「うん」

陰ってきた光を足すように照明が灯り、カーテンが閉じられた。
ほんの少し、緊張感が増した。
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