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女王のレッスン
第3章 ■奉仕のセンセイ
一瞬の戸惑いを経て、その縄を受け取る。
結衣子さんはにっこりと笑って鋏を置くと、それすら魅せるように長い髪をするすると編み、ヘアクリップで上に纏め上げた。
ブラウスのボタンを外し、スカートから引き抜いてスツールに畳んで置く。
ブラジャーに収まる白くて豊かな胸。綺麗な谷間のライン。思わず目をぱちくりとさせてしまう。
「……服の上からじゃ感触がわからないからね」
「あっ、えと……」
「用意出来たら触れて頂戴」
私に背を向けて床に腰を下ろし、結衣子さんは背筋を伸ばしたまま待っている。
『やれ』と言うのなら仕方がない。意を決して縄を解いた。
瑛二さんは私達をじっと見てる。
傍らに置いて膝をついた。ひとつ深呼吸。露わになった肩に手を置く。
「結衣子さん」
「なぁに?」
「これは……テストですか?」
身体を撫でながら状態を見る。柔らかそうに見えるのにしっかりと筋肉があって驚いた。
「テストではないわ。私が知りたいのは、今の遥香ちゃんの魅力と足りないところ」
「魅力と足りないところ?」
「そう。伸ばすべき素養と身につけるべき素養を知りたいの」
「縛ることでわかると……?」
「瑛二くんがあなたをここに連れてきたってことは、瑛二くんが指摘できない何かが私にわかると思ったから。或いはそれを私から指摘させることであなたにわかってもらいたいから」
結衣子さんがちらりと瑛二さんを窺う。
瑛二さんは何か言いたそうな顔をしたけれど、結局口には出さなかった。
「準備はいい?」
「はい」
「じゃあどうぞ」
慣れた様子で手を後ろに組んで、彼女は長い息を吐いた。
手首に縄を掛けて結び左腕に縄を掛ける。
その瞬間、なんとなく身体を預けられた気がして心臓が跳ねた。
既に信頼されているような。まだ少し話をしただけなのに。
急に責任感が湧いて掻き抱くように縄を通す。2周目を回して襟留め、テンションを見て問う。
「痛くないですか?」
「大丈夫」
答えに安堵し、最後の仕上げに縄尻を整えた。
「終わり?」
「はい」
「わかった。解いていいわ」
「は、い……」