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女王のレッスン
第3章 ■奉仕のセンセイ


一番好きな格好ってなんだろうとクローゼットをひっくり返して1時間ばかり要して選んだコーディネートは、結局無難な仕上がりになってしまった。
ミントグリーンのVネックトップスとコクーンスカートにカーディガン。会社にも行けそうな感じ。
待ち合わせ場所であり8 Knotや691の最寄り駅でもあるそこに早めに着いて、結衣子さんを待つ間8 KnotのHPを見ていた。
スタッフとして紹介されているのは彼女や稜くん含めて6人。そこにカナちゃんはいなくてあれ、と思う。
源氏名とかがあると思ってたけど、結衣子さんは結衣子さんだった。
その彼女が前から歩いてくる。
ボートネックのレトロなフレアワンピースに、真っ赤な小ぶりのバッグとエナメルヒール。
特段目を引く訳じゃないのに、どこか周りから目立って見えた。

「待った?」
「いえ。ちょうどお店のHP見てました」
「あら、ありがとう。ギャラリーとか見た?」
「まだそこまでは……」
「掲載してる写真は全部瑛二くんが撮ったのよ。時間がある時見るといいわ。さて……」

呟くように言って私の全身を上から下まで見た後、にこりと笑い

「歩きながら話しましょう」

足を繁華街の方へと向け、それに従った。

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