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女王のレッスン
第1章 ■最初のレッスン
入ってすぐはまた扉。それを抜けると左右両側に更衣室みたいなロッカーがまあまあの数ある。
「ここで靴を脱いで荷物を預けて下さい。カウンター以外は携帯NG。お手持ちの衣装がある場合は、持って中の専用更衣室で着替えて頂きます」
衣装。コスプレとかそういうのかな。
ロッカーに2人分の荷物をしまい、ベルト付きの鍵は柊平の手へ。
「では店内に参ります」
岩谷さんはにこりと笑うとその先の黒いカーテンをくぐり私達を招き入れた。
「うわぁ……」
薄暗いけど拓けたそこは、案外普通の雰囲気に見える。
入ってすぐにバーカウンター。8席分のスツールがあって座っているのはお客さんらしき男性が2人と女性が1人。バーテンダーと話してる。
棚にはお酒がずらりと陳列されていて、種類も豊富だった。
広さもかなりあるし、ダーツボードがあったりもして、例えるならプールバーみたいな。壁際にロープとか鞭とかがなければだけど。
「利用料に含まれてるのでこちらはフリードリンク。で……」
バーカウンターの辺りを抜けると足元がクッション性のある床に変わった。
「ショーと講習は道具が掛かってるあの辺りでやります。見る場合はあと20分程したら集まって下さい」
「わかりました」
「それから向こうがプレイルーム」
軽い手振りで示した先に、扉付きのコンテナみたいな箱がふたつ。ピンクの扉と黒の扉。
セックスしてる人はさすがにいない。
「ピンクはカップル用。カップル同士の合意の上でスワップや相互鑑賞して構いません。黒は単独。こちらも合意の上で絡んで頂けます」
話が一気にディープになった。
スワップ?相互鑑賞?絡む??そんなの考えたこともない。
「プレイ時のゴムの着用は必須です。中に箱があるのでそこからサイズに合わせて取って下さい」
淡々と説明されるとこっちが戸惑っちゃう。
柊平を見たらなんだか既にとろけそうな顔をしてて、そこはかとなく温度差を感じた。
「で、ピンクの方を左に見ながら壁伝いに行くと、突き当たって左が更衣室。右がトイレとシャワールームです。更衣室にはコスプレの衣装もありますが何か着ます?」
「へっ?い、いえっ、大丈夫です……」
「わかりました」