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女王のレッスン
第3章 ■奉仕のセンセイ
「ちょっとした緊縛ショーになっちゃったわね」
人だかりが捌けたステージで結衣子さんは照れたように言った。
私は取り敢えず復活して、マットの上に座り込む。
「いやいや、陛下と遥香ちゃん凄かったよほら」
満くんが見せてきたスマホの画面には、私と結衣子さんが向かい合って上を向かされているシーン。
スライドさせると額にキスされてたり、膝枕だったり色々出てきて、戻ったはずの顔がまた熱くなる。
「おい満。ここ利用禁止だぞ一応」
「重々承知してますけどこれは撮るでしょ。見逃してよタケさん」
「まあいいけど。結衣子ちゃんやるねぇ。ここで瑛二さんと喧嘩しながら緊縛講習やってたのがもう6年前?早いなぁ」
「ちょっとタケルくん……」
「それで今度は瑛二さんとルカちゃんだもんな。思い出して笑っちゃったよ」
「もぉ。早く仕事に戻りなさいな」
「はいはい」
タケさんが立ち上がってカウンターへ戻るのを見送って、結衣子さんを見た。
それに気付いて「あのね」と続ける。
「当時は瑛二くんに講習の機会が増えるようになってきた頃でね。緊縛モデルを条件にここで教わってたの」
「そうなんですか……ってか6年?私と同い年の時……」
「そうね。満くん、その画像遥香ちゃんに送ってあげてくれる?」
「りょうかーい。後でね」
「……う……うん。ありがとう」
「ねえねえ遥香ちゃん。今日は平気?俺いらない?」
「えっ……」
満くんに覗き込まれて、思わず身構えた。
忘れかけてたそれが思い出されて言葉に詰まり、結衣子さんを見てしまう。
「その気になってたらしてきなさいな。私は気にしないしこっちのことも気にしなくていいから」
「あのっ……えぇ……」
「でもするなら緊縛と同じように感じ取ること。ただ惰性で流されるんじゃなくてね」
「陛下は?3Pもありだよ」
「そういうの趣味じゃないの。着替えてくるわ」
ベビードールを翻して結衣子さんは更衣室へと立ち去った。