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女王のレッスン
第3章 ■奉仕のセンセイ
「……だって。どう?」
満くんは肩を竦めてみせ、私は思わず嘆息する。
正直もう誰に気兼ねする必要もないし、抵抗感もない。
余韻が身体に残っているから、このままというのもモヤッとする。
周囲の個性が強すぎて、多少なりとも親近感の湧いている人が相手なら、とかも考えてしまう。
惰性じゃなくて?これは、流されてるだけ?でも彼だって、私が望まないならしない人だ。
「……しようかな」
「なんか吹っ切れてるね。破局効果?」
「それもあるけど……」
「いいよ。理由なんて『したい』って気持ちひとつで十分」
他の理由をシャットアウトするように、満くんは立ち上がる。
「今日はちょっとだけSになろうか?」
薄目で私を見下ろして手を差し出した。得意の彼の演出は既に始まっているようだ。
「……ソフトにしてくれるなら」
「任せて」
その手を取った。強引に引かれて黒い扉の中に入る。
まだ誰もいない。隣のピンクのその中では、カップル同士が嬌声を上げていた。
「今日の縄の味はどうだった?」
「安心感が心地よくて……」
「ん?」
急に凄むように両手を掴まれる。
胸の前で手折られて、満くんの顔がぐっと近付いた。
「……そうじゃないよね?」
……ああ、そういうことか。
「感じちゃったんでしょ?」
流れに普通に身を任せるだけじゃなくて、相手が何をしようとしてるか感じ取って
自分がどうして欲情してるのか考えて、
「……感じちゃった」
入り込んでいく。まるでロールプレイングのように。
「遥香ちゃんがそんな子だったなんてなぁ……」