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女王のレッスン
第3章 ■奉仕のセンセイ
三連休の最終日、自宅前で車を待つ。
スマホには13時ちょうどの表示。ロックを解除してアルバムを開いた。
満くんから貰った写真はなんとも妖しげで、それでいて綺麗だった。
人に写真を容易に見せられなくなったな……。
思っていると、向こうから白い車が来て目の前で停まる。下がったウインドウの先に、鋭い目つきのいつもの顔。
「ルカ」
「お迎えどうも。瑛二さん」
助手席のドアを開けて車に乗り込むと、すぐに走り出した。
「どこまで行くの?」
「ここから高速も使って40分くらいのちょい郊外」
「わざわざそんなとこまで行ってやるんだね」
「スペースもあって人もいないから都合がいいんだよ。ユイのもんだし」
「え?結衣子さんの家?」
「まさか、自宅はこっちだよ。ばーさんの遺産で引き取り手がいなかったんだと。5LDKの古民家でかなりボロだったのを4年前にリノベしたんだ」
「そうなんだ……」
「撮影にも使えるように吊床もあるし使い勝手がよくてな。縄なめす時は基本そこだ」
結衣子さんの名前が自然と出てきて、昨日のことを思い出す。
プレイルームを出た時には既に姿はなくて、改めてお礼のメールをしたら『明日もよろしくね』とだけ返ってきた。
それから間もなく瑛二さんから連絡が来て、今日のことが決まったのだけど。
「どうだった?昨日は」
「お買い物半端なかった。怖くて値段とか聞けなかったよ……」
「その服?」
「下はそう。上は似合うって言われた系統のにした」
「雰囲気変わったな。いいんじゃないか」
「ありがと。あと691で縛られた」
「は?」
「結衣子さんに。聞いてない?」
先程開いたアルバムを出して写真を表示させ、道路状況を見ながら差し出す。
瑛二さんはそれをちらちらと見ると、「なんだその格好は」とこぼした後で、思慮を巡らすようにドアを使って頬杖をついた。