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女王のレッスン
第3章 ■奉仕のセンセイ

昨日の結衣子さんを思い返してみれば、カウンターで見つめられた時既に私は支配されていて、ステージで縛られていた間中、慈愛を持って抱かれていたのだと実感する。
あれをやれと言うのか……出来るのかな、あんなこと。

「技術が先か精神が先かはどっちでもいい。見て、味わって覚えればそれで」
「瑛二さんはどっちだったの?」
「俺はむしろ、ポリシーが先だったな。まあお前もそうか」
「え?」
「『綺麗にしたい』」

高速に入ってシートに身体が押し付けられた。
風景の面白みがなくなって、隣の横顔を窺い見る。

「……何がきっかけで?」
「ガキの頃に見た蝶の標本に惹かれたんだよ。幼心に勃ったわあれは。こうやって綺麗にしてやりたいって思った。だからいつも写真を撮る。綺麗になったって教えたくて」

目を細めて語るその姿は少年みたい。
瑛二さんの部屋にあった蝶の標本は自分で作ったと言っていた。
彼にとって緊縛がその表現のひとつなのだとしたら、繊細な一面が垣間見えたことも納得出来る。
瑛二さんが縛った人たちは、文字通り彼の『作品』なわけだ。

「その答えが緊縛だったの?」
「答えかわからないから縛るんだよ。多分ずっと探す気がする」
「抱いてわかることがあるんじゃなくて?」
「抱いてわかるんだよ。『わからない』ってことが」

そう言って、喉の奥を鳴らして小さく笑った。
理由を聞いたら、砂時計の砂が落ち切った瞬間のように合点がいった。
だからこのふたりは、恋人にはならなかったのか、と。
それでも付かず離れず傍に居続ける理由は、わからないけれど。
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