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女王のレッスン
第3章 ■奉仕のセンセイ
確かに聞かない話ではないけれど、本当なんだと驚きを隠せない。
ていうか結衣子さんに奴隷がいる事実にもびっくりする。お店の中だけではないんだ。
「毛羽焼きと仕上げすんだろ。人増えたから先に着替えて来い」
「ありがとう。そうさせて貰うわ」
結衣子さんがまた奥へ行くと、瑛二さんが深い溜息を吐いてコンロをつけた。
背後でぱちぱちと弾けるような音がする。
最後の一本を稜くんが干して、空になったバケツを持った。
「終わり。あと瑛二さんのとこで毛羽焼き。縄は毛羽立ってるから焼いて落とす」
「おう、手伝え。稜反対持て」
「うん。ルカは終わったやつ布巾で拭いてって」
「これね、OK」
BBQでもするかのように麻縄を処理するなんて。
やってることとこの和やかな雰囲気が合わなくてこみ上げた笑いを噛み殺した。
「屋根開けられて来たのか」
「開けられた。しかも着物でサングラスだよ。目立ちまくってるのに本人全然気にしないの」
「屋根?」
「あのユイの車オープンカーなんだよ。車高低いからタッパある奴乗せる時いつも屋根開けんだ」
「しかも絶対自分が運転するからね。羞恥プレイもいいとこだよ勘弁して欲しい」
「えー。楽しそうなのに、オープンカー」
「……本質マゾってそういうもん?露出的な」
「知るか。ほらルカ煤それで拭いてけ」
渡された縄を少し濡れた布巾で包んで滑らせると煤や燃えカスがついた。
横を見ると毛羽立った縄の表面のそれを焼いて落としていて、これらの工程は滑らかにするためなのだと理解する。
手を動かしながら話は続く。
「アシスタントって何させる気?瑛二さんそういうの持たないと思ってた」
「あ、それ私も聞いてない。何したらいいの?」
「まあ道具の手入れやら撮影補助やら出張緊縛の手伝いやら色々?」
「へえ。じゃあプレイ見せるんだ」
「そういうのが好きっていう需要もあるからねぇ」
「待って、私瑛二さんが誰かとするの、見るの?」
「場合によっちゃな」