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毒蜜喰らわば
第11章 蛍庭園が引き寄せるもの
「ん?いや、なんとなく誰かが見ている気がして視線を向けただけなんだけどね。
 あのもしかしてこちらは?彼氏さん?」

雅斗の口調は遠慮がちだったが、目つきは少し鋭さを感じさせた。
隣りに立つ進は背筋を伸ばしてから茂に会釈をした。

「あ、いえ、違うんです。こちらは・・友人なんです」

そう言うのが精いっぱいだった。
彼の名前も紹介することはない。
というよりは、紹介できる間柄ではない。
私はこれ以上茂の事を聞かれないよう、話題を逸らした。

「お二人とも、披露宴の帰りですか?」

肩すかしをくらったような顔をしていた進だったが、
深追いはせずにそこのホテルでと話を合わせてくれた。

「大学時代の友人の披露宴だったんですよ」

進の後を引き継ぐように、これから二次会なんですと言いながら雅斗は
池を挟んだ遊歩道にいる男女のグループに手をあげた。

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