この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
毒蜜喰らわば
第12章 イタコの孫が見通した、愛・・
「そうですか・・でも多分・・そうはならないと思います。
彼は恋人のもとへ帰り、私は雅治のもとへと帰るでしょう。
それが私たちにとっていちばんいいことだと思ってますから」
茂と離れがたい気持ちはまだまだ大きく膨らんでいるが、
彼への愛情や欲情に溺れてばかりで、未来の姿をまったくと言っていいほど
思い描いていない。
雅治と別れて茂と一緒になったら、どんな世界が待ち受けているか、なんて
正直想像したことはなかったのだ。
瞬発力だけで燃え上がった恋、そんなふうに例えられるのではないだろうか。
心の隙。心のほころび。
そこから侵入してきた打ち上げ花火のような情愛が、
乾いていた私の心を破裂させたのだ。それに・・
「それに・・遊女はお侍さんと結ばれなかったんでしょう?
だから、私達も一緒にはなれないんじゃないでしょうか・・
きっと同じ運命をたどる・・あ、でも一つだけ違います。
私は毒を飲んで死んだりしないから」
彼は恋人のもとへ帰り、私は雅治のもとへと帰るでしょう。
それが私たちにとっていちばんいいことだと思ってますから」
茂と離れがたい気持ちはまだまだ大きく膨らんでいるが、
彼への愛情や欲情に溺れてばかりで、未来の姿をまったくと言っていいほど
思い描いていない。
雅治と別れて茂と一緒になったら、どんな世界が待ち受けているか、なんて
正直想像したことはなかったのだ。
瞬発力だけで燃え上がった恋、そんなふうに例えられるのではないだろうか。
心の隙。心のほころび。
そこから侵入してきた打ち上げ花火のような情愛が、
乾いていた私の心を破裂させたのだ。それに・・
「それに・・遊女はお侍さんと結ばれなかったんでしょう?
だから、私達も一緒にはなれないんじゃないでしょうか・・
きっと同じ運命をたどる・・あ、でも一つだけ違います。
私は毒を飲んで死んだりしないから」