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毒蜜喰らわば
第13章 別れも幸せも成就
*
月日の流れが年を跨いだ。
慌ただしく師走が過ぎていき、新しい年を迎えて私の誕生日が翌日に迫った。
1月の21日。歳を重ねて32歳になる。
平凡ではあるが荒波に揺られる事もなくここまで無事に生きてきた。
それ自体が幸運なことなのだが、まだ幸運には届いていないなんて
贅沢な事を時々愁いている。
雅治と迎えた6回目の正月、そして誕生日。
これからもただの繰り返しになっていくんじゃないかと
不安と諦めの気持ちはいつも後ろからついてくる。
今年の誕生日も、少し奮発したディナーをご馳走になるという恒例行事だ。
プレゼントは無し。
付き合って3年までは何かしらのプレゼントを互いの誕生日に送っていたが、
今更欲しいものもない、と豪華な食事がプレゼント代わりの恒例行事となっている。