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毒蜜喰らわば
第6章 dejavu・・?
グラスに残るワインをゆっくりと味わい、
満たされたお腹を落ち着かせてから、私達は再び欅坂に戻り下り始めた。
坂を下り、庭園の中を通り抜けたので駅へと向かうのかと思いきや、
茂は目の前のオフィスビルの1階にあるコンビニへと私を導いた。
どうしたのだろう、なにか買いたい物でもあるのか、それとも急に
トイレに行きたくなったとか。
想像しながらついていくと、冷蔵庫の前で茂は恥ずかしそうに頭を掻いた。
「実はね、やってみたい事があって」
「え?やってみたい事?ってなんですか?」
「公園で・・風に吹かれながらビールを飲んでみたくて・・」
「え?楠木さん、やったことないんですか?」
「男同士ではありますよ。でも女性と2人でっていうのはないんです。
彼女はこういうの好きじゃないんです。恥ずかしいだとかで」