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毒蜜喰らわば
第8章 禁断の扉が開いた・・
だが、その穏やかな時間が薄墨色の雨雲におおわれた。
雅治が私との約束を忘れてしまったのだ。
金曜の夜、仕事帰りに待ち合わせをして、食事をしてから雅治の部屋に泊まりに行く。
そして土曜日は海へ行こうと計画していたのに。
その日、金曜の昼休みに雅治にメールをすると、
予定を入れてしまったと慌てて電話をしてきたのだ。
「今週の金曜だったっけ?ごめん!来週と勘違いして、
今夜から実家に帰ることになってるんだ」
「そんな・・楽しみにしてたのよ。久しぶりに雅治のとこに行けるって。
実家、どうしても帰らなきゃいけないの?」
いつもは物わかりのいい返事をする私なのに、この時は駄々っ子のように不貞腐れた。
付き合い始めの頃ならかわいい、となだめすかされたのかもしれないが、
5年も経てばそれくらいで文句を言うなと熟年夫婦のようなセリフを平気で吐かれる。
「じゃあいいわよ!またいつかってことにしよう」
「なんだよ、来週じゃダメなのかよ」
「来週は私が都合が悪いの」
雅治が私との約束を忘れてしまったのだ。
金曜の夜、仕事帰りに待ち合わせをして、食事をしてから雅治の部屋に泊まりに行く。
そして土曜日は海へ行こうと計画していたのに。
その日、金曜の昼休みに雅治にメールをすると、
予定を入れてしまったと慌てて電話をしてきたのだ。
「今週の金曜だったっけ?ごめん!来週と勘違いして、
今夜から実家に帰ることになってるんだ」
「そんな・・楽しみにしてたのよ。久しぶりに雅治のとこに行けるって。
実家、どうしても帰らなきゃいけないの?」
いつもは物わかりのいい返事をする私なのに、この時は駄々っ子のように不貞腐れた。
付き合い始めの頃ならかわいい、となだめすかされたのかもしれないが、
5年も経てばそれくらいで文句を言うなと熟年夫婦のようなセリフを平気で吐かれる。
「じゃあいいわよ!またいつかってことにしよう」
「なんだよ、来週じゃダメなのかよ」
「来週は私が都合が悪いの」