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毒蜜喰らわば
第8章 禁断の扉が開いた・・
食事を終えて店を出ると、夜風に吹かれながら私は
茂の手を引くようにして蛍庭園へと心を逸らせた。
早く蛍を見たい、2人で池のほとりに並んで蛍を見たい、と
なぜかそればかり考えていた。
あいにくどのベンチも先客がいて、私達の座る場所はなかった。
しかたないね、と茂は池の上に架かる小さな橋の上へと私の手を引いた。
黒い水面に映るライトアップの光の輪の中に私たちが入り込む。
まるで水の上に立っているような気分を味わえた。
見上げると黒く見える紅葉の葉が風にあおられ音を立てている。
その音が耳の中で渦巻いた瞬間、
私の体の中に突き上げるような振動を感じた。
めまいにも似た体の揺れ。
細い橋の上にいる私は池に落ちていきそうで怖くなり、茂の体にしがみついた。
「落ちそうで・・恐い・・」
彼の二の腕に伝える乳房の弾力。
すぐに茂は私の体を抱きかかえるようにして橋から降りた。
「大丈夫?」
腕にしがみついたまま俯く私の頬を手のひらで包む茂が、
さらにその手を肩へと滑らせた。