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第9章 めずらしい人との出会い

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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人であふれかえる新宿駅。
私鉄を降りてからＪＲの南口に行くまでどれほどの波をかき分けたか。
土曜日で、おまけに夏休み時期ときているから人出はさらに膨れ上がっている。
咲枝の姿を見つけると、それだけで一仕事終えたような疲労感があった。


さっそく一番近くのデパートへと駆け込み、あれこれ見ると迷ってしまうからと
一番人気の店とその周りの店で合わせて３種類ほどの
和洋のスィーツを買い込んで、再び駅への緩い坂を上った。

「フルーツゼリーにカップケーキにお団子。
　こんだけあれば男子だってなんかしら食べるよね」

「そう言えば結婚式の時、里佳子言ってたよね、旦那さんって甘いもの好きだって。
　この統一感の無いセレクトでも許されそうだね」

息を切らしながら手に下げた３つの袋を宙に掲げて、
信号の向こうから押し寄せてくる人の波の中に突進していった。