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第9章 めずらしい人との出会い

「うえっ！すごいじゃん！冗談抜きで豪邸みたい。
　え？旦那さんってすっごいお金持ち？」

咲枝は思った通りのことを口に出す。
もうちょっと言いようがあるでしょ、と腕を突くと
さすがに咲枝もこれは失礼、と頭を下げた。

「ここね、旦那の母方のおばあちゃんの家だったの。
　おじいちゃんが亡くなってから一人暮らししてたんだけど、
　さすがにお義母さんが心配して、そんで同居することになったのよ。
　でもこれだけの家だもん、売ったら逆にもったいないねって話になって、
　それであんた達が住めば？ってことになったのよ」

平屋の家はかなり古かったので、リノベーションしてあるから
中は最新の設備が備えてあるという。
庭も、日本庭園にあるような草木だったのをハーブや育てやすい花などに植え替えて、
子供が遊びやすいように芝生も植えたんだと、
ガーデニングを始めたことを里佳子が告白した。
若い頃はあんなにインドア派だったのに。