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毒蜜喰らわば
第9章 めずらしい人との出会い
確かに、私も進のことはかっこいいと思う。
咲枝も同じ。
だから余計に、進の友達とやらに期待が膨らむのも当然だろう。

「御招きありがとうございます!今日は進さんの御友人様もいらっしゃるそうで」

テンションが上がりすぎたのか、咲枝のおかしな言い回しに
大人たちが声をあげて笑うと、2歳の結衣ちゃんまでが真似をして声をあげた。

「ええ、もうすぐ来ると思います。大学時代の友達でね、
 ちょっと面白い特技を持ってる奴なんですけど、大丈夫かな?」

咲枝と私は顏を見合わせた。
おもしろい特技を持っている人、どんな人だろうと考えるところまでは
ごく自然だろうけど、大丈夫かと言われると、それ以上想像のしようがない。

「ちょっと!変な言い方すると2人が引いちゃうでしょうよ。
 全然普通の人だから、心配しなくても大丈夫よ」

咲枝も私も、言われたままになんとなく頷いた。

すると、まるでやり取りが終わったのを見計らったかのように
玄関チャイムが鳴った。
来たな、と進が立ち上がり床板を踏み鳴らしながら玄関へと迎えにでた。
その隙に咲枝が里佳子に近づいて、ヤバい人?と囁くと、
そんなわけないじゃん!と咲枝の背中をバシッと叩いた。
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