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第9章 めずらしい人との出会い

こんにちは、と軽く頭を下げながら入ってきたのは、
はつらつとしたまあまあのイケメンだった。
なにかスポーツでもやっているのか、少し小麦色に日焼けしていた。

チラッと横目で咲枝を見る。
口元をたるませながら、私の視線に気づいてニヤッと目を細めて微笑んだ。

「紹介しますね、僕の友人の堀内雅斗、独身の３２歳、よろしくお願いしますね」

進が紹介すると、はじめまして、とあらためて挨拶をした。
続けて今度は里佳子が私達を紹介する。

「こちらが井上咲枝さん、そしてこちらが稲村美智さん。
　二人とも高校時代の同級生なの」

咲枝は媚びるように体をくねらせながら挨拶をし、
続けて私が堀内雅斗と目を合わせると、はじめはニコッと笑っていた目元が
急に丸く見開いた。
それはまるで、私の顔を知っているかのような、
なにか意味ありげな目つきで小さく会釈をし、
はじめましての語尾が小さく消えていった。