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第9章 めずらしい人との出会い

「あら、もしかして堀内さんは美智みたいなのがタイプなのかな？」

何度も顔を合わせているであろう里佳子は、遠慮せずにズバリと問いかける。
咲枝は咲枝で不満げに私を見る。
私はといえば、初めて顔を合わせた男の眼差しに、
異性に対する好意とは別の意味が見て取れた。

里佳子につつかれた雅斗は、大きな動作で否定した。
そして否定したことも謝った。

「え～？じゃあ堀内さんはどんなタイプの女性が好みなんですかあ？
　その前に、彼女はいないんですよね？」

咲枝の訴えかけるような目つきに、雅斗は答えに迷っているようだ。
いないよな？と進に念を押された雅斗は、まあな、と言葉を濁していた。

「まあまあ、話はこれからゆっくりするとして、まずはランチにしましょうよ」

テーブルの上に並んでいる里佳子の手作り料理を、さっそく思い思いに皿に取った。
その間に里佳子が冷えたビールを用意してくれて、
全員がテーブルに着くとにぎやかな昼間の宴が始まった。